『HANA』中川幸夫
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本日の花活は読書です。
恥ずかしながら、中川幸夫さんの存在を知ったのは最近でした。
こちらの作品集、発行は1989年、収録作品はカラー34作品、モノクロ12作品です。
中川幸夫とは、池坊で学んだあと脱退し、独自のスタイルを確立させていった昭和初期の代表的な前衛いけばなの作家です。その時代には、草月流創設者の勅使河原蒼風や小原流3代目の小原豊雲など、華道としての伝統的な手法や概念を覆す、センセーショナルな表現を追求した作家がたくさんいた時代です。
錚々たる顔ぶれに、なんてドラマチックな時代だなんだろうと胸がぞわぞわします。(前衛いけばなについては改めてレポートしたいと思います。)
いけばな作品は一般的に生花を使うので、花展などでも時間により作品が変化していくこともあり、その変化も楽しみではありますが、
これら写真による作品は、花の命の一瞬をある完成されたかたちで捉え、そのコンテキストも含め強烈な緊張感とメッセージを、ページをめくる人間に伝えてくるように感じます。
個人的には、美しさとは何か?花のありかたとは何か?など、様々な疑問が湧いてきました。
自治体の図書館などにもあると思いますので、ぜひご覧になってください。
本日の花活は、読書でした。(完)